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Unknown User•11mo ago
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まずは重心の高さと荷重の違いです
ひとまず簡単な形で検証してみました
・三角形だと重心の位置が四角形より低い位置にある点
・もし三角形と四角形の高さが同じとしたら、辺の長さの合計(周の長さ)から、三角形より四角形の方が長くなる
そして同じ材質で同じ太さなら、長くなるほど重くなるので、(その条件下なら)必然的に周の長い四角形が過荷重になる点
①三角形の重心と四角形の重心の位置
②重心の位置と重心から伸びる重力(赤矢印)
なるほど。しかしそれにしてもなぜ重心が低いと安定するんでしょうか。
実際に立方体は弱かったというのは重要ですね。
重心の荷重の観点から、三角形は四角形に比べて、重心が低くかつ荷重も軽い
それを説明するためにまずは以下の図を見てください
下の頂点を基準に図形を傾かせるとします
そうするとその頂点がシーソーの中点(=支点)と同じ役割となります(重さと中点(支点)からの距離の関係)
だから重心がその頂点より左側なら倒れず(元に戻り)、重心がその点より右側になれば重さが左側より重くなり物体は右へと倒れていきます
また下の頂点より左側か右側かを分かりやすく判断するために、その点を通る縦の直線(点線)を書いてみます
そうするれば頂点の左側、右側が一目瞭然になると思います
(だから重心がその直線上(O点)に来ると、重さがつりあって斜めに立つのだ!)
つまり重心の位置とその直線との距離から物体の倒れるか否かが分かるわけです
では重心の位置がどこになると、倒れやすいか否かが分かるのか
先ほどの話より、左側にある重心が直線に近づけば近づくほど、倒れやすいリスクが増えていきます
しかし重心の高さが違うと、直線(点線)までに近づく距離が変わるため、それぞれの重心点を動かして、距離を求めるのは少々手間です
ではどう解くか
実は重心を直線に近づけることは、逆を言えば直線を重心に近づけることなのです
つまり重心を固定したまま、縦の直線を下の頂点を中心に回転させるのです!(実は頂点を中点にして重心を動かす時も、頂点と重心の距離は一定のため、その距離を半径にして円を描きます)
では三角形の重心と四角形の重心を重ねた図を見てみましょう
上の重心が四角形で、下の重心が三角形です
それぞれの斜めの直線が縦の直線(点線)を重心まで動かした時の線です
この図から縦の直線(点線)から重心までの距離が、角度の大きさより、下にある重心の方(この場合だと三角形の重心)が上の重心より角度が大きくなり、遠くなることが分かります
遠いということはつまり、倒れるリスクが下がる=倒れにくい、になります
つまり下に重心(今回では三角形)がある方が、安定しやすいのです
ただし1点注意してほしいのが、たとえ下に重心があったとしても、図形の右側が異様に重ければ、その重心が右に振れ、上の重心を通る直線より右側に来てしまう場合がある
その時、右に偏る重心の角度はその直線より右側にあるので、角度がそれより小さくなる
つまり右側に倒れるリスクが上にある重心よりも増えてしまうのだ
(分かりにくければ、一度下の頂点から右に偏った場合の重心点へ直線を作図してみよう!)
だから一概に下に重心があれば必ず安定であるとは言えぬので、そこは注意すべきことです
なるほど! 重心についてわかりました。とても丁寧な例を提示してくださってありがとうございます。
それにしても、こういう考え方は思いつかない……すごいなあ。
重心の低さによる安定性について分かっていただけましたか?
ここまでの話を整理すると、
・三角形の重心は四角形のそれより低い
・上記のことから四角形より倒れにくい
・周の長さから三角形の荷重は四角形のそれより軽くなる
今のところ疑問はないですか?
はい、どの理由にも疑問はないです。
では次に行きますね
地面が移動することによって、三角形ないし四角形の建物に左方向の力(地震のかなりの単純化)が加わったとします
それが以下の図です
左方向の力(赤色の矢印)がそれぞれの建物に加わると、各材料の中点を中心に回転運動が起こります(青色の矢印のところ)
そうなると各形状の建物はどういうかたちの変化が起こるのか?
それが以下の図です
この図から材料の形の変化はあれど、三角形自体は可動(可動とは材料を変形させずに動く機構のこと)が起きない形状です
そのためこの形で倒壊するかは材質そのものの強度に関わってくる
一方の四角形は構造的に可動する(多角形の機構物が可動する方向の数のことを機構学では自由度という)形状です
(ちなみに四角形の自由度は1)
だからこの形で倒壊するかはその構造物の形状変化量の大きさ(場合によっては材質の強度も)が大いに関わる
そのためビルなどの四角形構造の場合、それぞれの対角線に柱を入れるのが一般的です(三角形にするため)
(ちなみに三角形の自由度は0)
しかし今までの話から考察するに、材料が増えると必然的に全体の荷重が増える
三角形構造だと単純に三本の材料で済むところを、(同じ太さの材料を使った場合、)四角形だと全体の構造で四本ある上、その構造を強めるために対角線方向の材料をさらに二本加え(4+2)、計六本の材料を使うことになる
実はビルも例外ではなく、長方形的な構造かないしは、上に行くほど徐々に小さくなる三角形に似た構造になるものです
いままで話してきたことを元に、実際の東京タワーの形からさまざまな位置を大まかに計算してみましょう
・まずは重心の位置
SG塔(59.95m)の構造
塔体上部(132.65m)の構造
塔体中部(80.00m)の構造
(赤点は材の中点)
塔体下部(35.00m)の構造(左側のみ)
ああそうか、箇所によって基本的な構造が異なるんですね。
しかもよく見るとね、東京タワーを全体で見たときの造形は曲線的だけど(特に下の部分)、構造の一部分をしっかり見ると、鉄骨で作ってあるので、材料は基本的に真っ直ぐなんですよ
少しずつパーツの組み合わせの角度を変えて、全体で曲線のように見えるのかな
That’s right.
なんとなく微分に近いイメージ(伝われ!
デジタルも細かいとアナログに見える……みたいな理解をしてます